仮上陸の許可とは、日本に入国・上陸しようとするときの上陸の審査時に、いったん仮に上陸を認める特殊な許可のことです。通常の許可が、本物の100%の許可だとしたら、仮上陸の許可は、自由の範囲が削減され、制限や条件が加えられて、いったん仮に上陸の許可を出すものです。
仮上陸の許可が出されるとき
仮上陸の許可は、上陸の審査時に出されます。新規の入国・上陸も、再入国での入国・上陸でも同じです。
まずそもそも、上陸の審査は共通して下記の最大3段階になっています。
- 上陸審査官の審査
- 特別審理官の口頭審理
- 法務大臣への異議申し立て
通常は、1段階目の上陸審査官の審査で終わります。ですが、場合によって、1段階目では上陸の申請が通らずに、2段階目、3段階目の再審査が必要になる場合があります。このときに、
- 特別審理官の口頭審理
- 法務大臣への異議申し立て
は、時間がかかる場合があります。その時に、空港の審査場で何日も過ごして生活するわけにはいかないので、一時的に上陸を希望する外国人は、その結果が出るまで、仮上陸が許可され、日本に上陸できる場合があります。
仮上陸の許可が出されないとき
仮上陸の許可は希望できる段階で希望すれば必ず出るわけではありません。
- 仮上陸中にその外国人が逃亡する恐れがある場合
- 仮上陸の条件(下記条件)に違反する恐れがある場合
仮上陸の許可の結末
仮上陸はあくまで上陸審査の結果待ちの状態です。上陸審査の結果、上陸許可が出れば通常の入国となります。もし許可にならなかった場合には、速やかに日本から退去しなければなりません。
不許可時の速やかな出国
仮上陸中に、上陸審査の結果不許可になったとしても、速やかに日本から退去すれば、適法な在留中の適法な出国となります。しかし、不法に在留が長引いた場合には、退去強制事由に該当することとなり、退去強制プロセスが始まります。
仮上陸の許可に付随する条件・制限等
仮上陸の許可が出されたとしても、それは通常の上陸の許可に比べて、制限や条件が課されたものであり、100%の在留資格や在留許可とは言えません。下記の条件・制限が付随します。
- 上陸の手続に必要な行動以外の制限(就労活動や上陸目的の活動等の禁止)
- 住居の制限(到着した空港・海港の属する市町村等の範囲内に制限)
- 行動範囲の制限(上記住居の属する市町村等の範囲内に制限)
- 呼び出しに対する出頭の義務
- その他必要と認められる条件
保証金の納付
仮上陸の許可が出た場合、仮上陸に対する保証金として、200万円以下(未成年の場合は100万円)の保証金の納付が命じられる場合があります。これは保証金ですので、仮上陸中に手続きの結果が出たら、そのあと最終的にはもちろん返金されます。
保証金の没収
上記条件・制限に違反した場合には、内容に応じて保証金の半額以下の額面が没収されます。
ただし、
- 仮上陸中にその外国人が逃亡した
- 仮上陸の条件(下記条件)に違反した
この場合には、保証金は全額没収となります。
許可の形式
仮上陸の許可の形式は仮上陸許可書の交付によります。これがその外国人の日本への在留を正当化する根拠となりますので、仮上陸中は常に身に着けていなければいけません。パスポートは上陸の審査のために空港・海港で預けなければいけません。
仮上陸を受けた者の収容
仮上陸の許可を受けた外国人が逃亡するおそれがあると疑うに足りる相当の理由がある場合には、主任審査官によって収容令書が発されて、入国警備官によって収容される場合があります。
収容されうる期間は、上陸の審査の結果が出るまでです。