自動化ゲートと顔認証ゲート

 自動化ゲートとは、日本人および外国人が、日本への再入国または日本からの出国を、通常の上陸申請や出国確認に伴う入国審査官による対面の審査や確認を受けずに、そのかわりに、機械によって自動化された手続きで、簡潔で待ち時間少なく短時間で、スムーズに行えるようにする仕組みです。空港とその利用者、両者にとって効率化のメリットがあります。

最新の制度である顔認証ゲートについても後半で説明しますが、在留カードを持っているような中長期在留外国人は、自動化ゲートの方を使うことになります。

自動化ゲート制度の効率化の仕組み

 自動化ゲートによって、効率化される部分は、空港で従来のように、再入国や出国の際に、申請書等の書類を書かなくてもよいこと、および、それを持って審査や確認のための長い待ち行列に並ばなくて済むこと、です。

実はこの部分を、事前に日本国内の入管庁の地方局で済ませる(希望者登録と呼ばれている)ことによって、ほとんど手続きの入管庁組織内の外注のような形式で、空港での集中的負担を分散させるシステムになっています。

自動化ゲートを使える人

 自動化ゲートは、だれでも使えるわけではありません。出国か再入国かによって以下の対象に限られています。また、別のページで説明する、最新の制度である顔認証ゲートを使える外国人は、短期滞在の在留資格の外国人に限られているため、在留カードが付与されるような中長期在留の外国人は自動化ゲートを使うのが最善の効率化になります。

日本からの出国

 日本からの出国時に自動化ゲートを使えるのは、以下の対象です。

外国人

 あらかじめ希望者登録を完了している外国人は、出国時に自動化ゲートを利用できます。

みなし再入国許可との併用に注意

 多くの中長期在留者が利用する「みなし再入国」制度も利用する場合、自動化ゲート通過後に、再入国出国記録(EDカード)という申請書等で、審査官からみなし再入国許可を受ける必要があるため、結果的に有人カウンターを利用する方がスムーズな場合もあります。

日本人

 あらかじめ出国前に出入国在留管理庁の地方局で、希望者登録(自動化ゲート使用申請)をして、特定の機械で個人識別情報(指紋)を提供した日本人。

ですが、たいていほとんどの日本人の場合は、後半で説明する顔認証ゲートを使うほうが総合的に効率的で良いでしょう。

日本への再入国

 日本への再入国時に自動化ゲートを使えるのは、以下の対象です。

外国人

 再入国の許可(みなし再入国許可含む)を受け、かつ、あらかじめ出国前に出入国在留管理庁の地方局で、希望者登録(自動化ゲート使用申請)をして、特定の機械で個人識別情報(指紋および顔画像情報)を提供した外国人。

日本人

 あらかじめ出国前に出入国在留管理庁の地方局で、希望者登録(自動化ゲート使用申請)をして、特定の機械で個人識別情報(指紋)を提供した日本人。

ですが、たいていほとんどの日本人の場合は、後半で説明する顔認証ゲートを使うほうが総合的に効率的で良いでしょう。

希望者登録(自動化ゲートの使用申請)

 上記の自動化ゲートを使える人の項目に共通してあったように、その使用には、日本人であれ外国人であれ、希望者登録という自動化ゲートの使用申請が事前に必要です。

場所

 出入国在留管理庁の地方局または主要空港

料金

無料

申請方法

 上記の場所で申請書と身分証等を提出して行います。主要空港で、出発当日に行うこともできます。手続き自体は30分もかからないような短い時間で終わります。

必要書類

  • 自動化ゲート利用希望者登録申請書
  • パスポート
  • 在留カード
  • (場合によって特別永住者証明書)

自動化ゲートの使い方

  1. 空港の入国・出国審査場に行くと、有人カウンターの列、と、自動化システムのレーンに分かれています。自動化ゲートのレーンに進みます。
  2. 旅券(パスポート)の顔写真ページを機械に読み取らせる
  3. ゲート内のモニターの指示に従い、指紋(両手の人差し指)を読み取らせる
  4. ゲートが開いたら通過(スタンプが必要な場合は近くの職員へ申し出る)

顔認証ゲート

 顔認証ゲートとは、顔認証システムを用いて、顔で本人確認をする自動出入国システムです。これは自動化ゲートと違い、事前の登録が必要ないため、ICチップ付きのパスポートでその場ですぐに利用することができます。が、外国人に関しては、その利用可能者は短期滞在の在留資格で来日した外国人の出国のみに限られています。

中長期在留外国人が顔認証ゲートを使えない理由

 一見すると顔認証ゲートは自動化ゲートよりも便利です。そして、便利さという観点で言えば、事前の申請等の準備いらずで、実際により便利なのです。ですが、その使用は、日本人の出入国と短期滞在の在留資格の外国人の出国に限られています。これは、顔認証ゲート制度が抱える信頼性の脆弱さから来ています。

顔認証ゲートはパスポート偽造の可能性を排除しきれない

 顔認証ゲートでは、事前の使用申請等もなく、いきなり空港でICチップ付きのパスポートを機械にかざして、その中のデータである顔写真と、それを持っている本人と、上陸許可のデータが一致することによって、ゲートを通過できます。ですが、このシステムだと、ICチップ付きのパスポートを偽造された場合には、違法入国を検知できないのです。言い換えれば、そのICチップ付きのパスポートが、相手国の政府以外が不正に作った偽物でないことを、ただ信じるしかなく、ICチップが偽造されていても、気づけない可能性がある、というわけです。

自動化ゲートシステムの信頼性の高さ

 それに対して自動化ゲートは、利用前に国内の地方局で事前申請が必要です。この事前申請の際に、出入国在留管理庁の職員が以下の点を検査し、パスポートの信頼性を確保します。

  • 印刷内容・・・・透かし、ホログラム、マイクロ文字
  • 赤外線・紫外線チェック・・・専用の機械で肉眼や簡易なセンサーでは見えないインクをチェック
  • 物理的感覚・・・重さ・手触り・綴じ方・素材感

これによって、パスポートの信頼性が上限まで高まったうえで、その地方局で、本人の顔写真と指紋の情報を直接パスポートに紐づけるのです。これによって、パスポートの信頼性を高めています。

だから顔認証ゲートは低リスク利用者のみの利用となる

 上記の理由によって、自動化ゲートと顔認証ゲートは以下の特徴を持つことになります。 

自動化ゲート顔認証ゲート
事前登録必要不要
パスポートの信頼性高い普通
ゲートの処理速度速い最速

このような特性によって、在留期間が長くて就労活動も行えるような、日本への影響力が高い中長期在留資格の外国人には、より確実な自動化ゲートを使ってもらっています。逆に、不法滞在を招いたとしても、滞在期間が短くて、就労活動も行えないような短期滞在の在留資格の外国人は、効率重視で、顔認証ゲートの使用による出国が認められているのです。

日本からの出国の保留

 日本からの出国は、外国人にも日本人にも基本的人権に含まれる人権として保障されています。ですが、この人権も場合によって制限されることがあります。特に、犯罪をした、もしくはその可能性があり、日本からの出国が犯人の逃亡になる場合や、重大な法的義務(納税や裁判など)を履行していない場合などです。これらの場合は公共の利益のために、出国の権利が一部制限される場合があります。