在留資格の変更とは、すでに在留資格を持って日本に在留している外国人が、その時現在の在留資格の種類から、他の違う種類の在留資格に、変更することです。
変更には条件があり、その条件には変更前の在留の仕方を評価するものもあります。よって、変更のための準備は、在留を開始した時点ですでに始まっていると思わなければなりません。
在留資格が許可をする概念上の活動範囲と、実際の現実での活動範囲は、基本的に常に正しく組み合わされている必要があります。変更をせずに許可外の在留活動(就労・事業等)を行うと、退去強制につながりえます。そうならないように、在留資格を適宜必要に応じて変更し、適切な状態である必要があります。
変更のガイドラインの解説
在留資格を変更するにあたって、ガイドラインが法務省から設定されています。ここでのガイドラインとは、我々が日常生活で用いる目安、のような、任意で守るような形式だけの軽々とした意味合いとは異なります。実質的には、法務大臣の広範な裁量権の行使基準で、遵守しなければ、消極的な要素として考慮され、変更の確率は下がります。このように、確固たるルールや基準、よりも少し柔らかいものではありますが、依然として強力な考慮要素です。
変更後の在留活動が、変更後の在留資格に含まれる許可の範囲内であること
在留資格を取るための条件は1階の部分と2階の部分の、2段階があります。このうち1階部分にかかわるものです。
それぞれの種類の在留資格には、それぞれの種類の許可されている在留活動が対応して紐づけられています。新しく行う予定の活動がその範囲内に収まっているかが問われます。
省令基準(在留資格の必要条件の二階建ての部分)に適合していること
こちらは、在留資格を取るための2階建ての条件のうちの、2階の部分です。省令基準とは、各省が出す法令であり、法律と違って国会の審議が不要なので、法律の範囲内で、自由に各省が変更を加えられます。出入国在留管理法については法務省の省令となります。改正に時間がかかる法律ではなく、省令によることにより、経済や社会に対して、迅速で柔軟な対応を可能としています。
これから新しく行う活動が、新しい在留資格に関する省令基準に適合するかが問われます。省令基準がない在留資格もあります。
現在の在留資格の活動を質・量・期間ともに行っていたこと
変更前までの期間の適切性が問われます。もし、変更前までの期間に、在留資格を適切に用いていなかったのであれば、変更後も適切には用いないだろう、と、予測されてしまいます。
素行が不良でなく善良であること
犯罪をしなかったかなどが問われます。犯罪をしたことが直ちに変更の不許可に絶対的につながるわけではありませんが、変更を不利にします。
経済的に独立しており日本の公的扶助の負担にならないであろうこと
変更後の就労や事業によって、独立した生計を営むに足る収入が確保できる予定かどうかが問われます。公的扶助の負担になる可能性が高い人材を日本に置き続けることは難しいということです。
雇用・労働条件に関して法令を遵守していること
就労・事業等の環境が、法令に照らして正しいかどうかが問われます。知り合いに話を持ち掛けて不法就労をさせることなどは外国人当人に責任が当然及びますが、会社や組織等、自分以外に原因があるのであれば、そのことは外国人に責任がなかったものとして十分に考慮されます。
納税等の義務を果たしていること
税金等の支払い義務を果たしていたかどうかが問われます。税金等には以下のものなどが含まれます。
- 税金全般(所得税・法人税・住民税等)
- 健康保険料
- 年金
上記のものについて、その不払いの期間・額・理由が問われます。ほんの少し一瞬でも滞納したことが直ちに変更不許可に絶対的につながるわけではありません。
在留に関する届出等の義務を果たしていること
在留カードを持つような、中長期在留の外国人は、在留に関する自身の情報の届出義務が定められており、それを履行していたかどうかがとわれます。具体的には以下のものです。
- 在留カードの記載事項を現実に合った最新のものに変更していたかどうか
- 在留カードの有効期間が切れる前に更新等申請をしていたかどうか
- 紛失等があった場合に、在留カードの再交付申請をしていたかどうか
- 必要な場合に在留カードの返納をしていたかどうか
- 所属機関(就労・事業機関)等に関する届出をしていたかどうか
変更時の基本ルール
在留資格の変更時には下記のルールに注意する必要があります。これらのルールを守らない場合には退去強制につながるケースもありますので、注意が必要です。
変更を先行させて事実を後行させる。
書面上の在留資格の変更は、実際の活動内容の変更よりも、先にする必要があります。つまりたとえば、転職して会社を変えたり、大学等を卒業して働く場合には、新しく働く前に、新しく働くことについての在留資格に変更して、それから働き始める、という順番である必要があるということです。会社を変えたからそろそろ在留資格を変更しよう、という順序ではいけないということです。そうでなければ、資格外活動などに該当し、退去強制につながりえます。
短期滞在の在留資格からは変更できない
やむを得ない事情でなければ、短期滞在の在留資格から、他の在留資格への変更はできません。
これは、短期滞在の在留資格が、旅行・観光・親族訪問等を目的としていて、それによって経済社会に影響の大きい就労活動を伴わないことから、日本上陸審査が簡易的に行われ、査証も免除されていたりと、比較的軽い審査によって発行されたことによるものです。
「最初から重い正規の手続きで入りなおしてください」
ちなみに、認定証明書(COE)がすでに交付されている場合が、短期滞在からの変更が認められる最も一般的なやむを得ない事情です
相当の理由がある時
在留資格の変更は、相当の理由があるときに許可されるものとされています。相当の理由という言葉によって、場合によって基準を付加したり減少させたりする可能性を持たせています。
同じ在留資格内の変更でも手続きが必要
一見、同一名に見えるような在留資格でも、その中に種類がある場合があります。
例えば下記のものですが、これらの間の変更だとしても、別の在留資格ですので、変更申請が必要になります。
- 高度専門職1号イ、高度専門職1号ロ、高度専門職1号ハ、高度専門職2号
- 特定技能1号、2号
- 技能実習1号イ、技能実習1号ロ、技能実習2号イ、技能実習2号ロ、技能実習3号イ、技能実習3号ロ
変更申請の方法
在留資格の変更の申請は以下の方法等によります。
申請の主体
- 外国人本人
- 法定代理人 (本人が16歳未満の場合、精神上の障害がある場合)
- 申請取次者
- 行政書士・弁護士
- 所属機関(会社や学校など)の職員
- 親族・同居人(本人が病気等の理由で自ら出頭できない場合)
時期・期限
変更の必要が生じるような新しい活動を行うまで、かつ、現在の在留期限が満了する前まで
場所
外国人の住所を管轄する地方出入国在留管理局
必要書類
必要な書類は、在留資格ごとに異なり、複雑多岐にわたります。
詳細は各資格ごとに確認してください。
変更申請中に在留資格の期限が来た場合の特例ルール
変更の申請中は、在留資格の期限が延長される特例ルールがあります。
まず、在留資格の変更は、基本的には現在の在留資格の期限が来るまでに終わるのが当たり前であるべきで、一番良いです。
ですが、様々な理由や状況により、申請を出すのが出遅れて期限ギリギリになってしまったり、申請等の事務手続きが入管庁や地方局等に込み合う時期であったりして、申請の結果が出るまでに時間がかかって、申請はしたけど結果がくるまでに在留期限を過ぎてしまったりする場合があります。このような場合について、在留期限に関する特例ルールがあります。
それは、このような状況下では、在留期限が過ぎたあとでも、処分結果が出るまで、在留期限の日から最大2か月間、適法に在留できます。その延長時の在留資格は、それまでの在留資格をもっているものとされます。
変更許可の通知
変更許可の通知は、新たに中長期在留者になるものには在留カードの交付、それ以外の場合は旅券への記載によって行われます。これらがあった時点から、変更は法的な効力を持ちます。