在留資格取消と退去強制手続き

 在留資格は場合によって取り消され、また、在留中に日本国外への退去が強制される場合があります。

 これら在留資格の取消と退去強制手続きは、日本での在留の根底や基礎の部分がなくなることを意味し、在留中の外国人の生活や人生にとって、在留に関わる最も重い罰や処分です。

 日本での生活を望む外国人にとって、この2つの処分は徹底的に避けるべきであり、細心の注意を払って常日頃からその数多くの境界線の位置を記憶し、それらを意識して日常生活を送れるようになるべきです。

 普通に善良に生活を送っていても、いつの間にかこれらの規定に抵触してしまうことがありうるほどに、その境界線の一部は、外国人の日常生活の近くにあります。

在留資格取消

 在留資格の取消とは、文字通り在留資格を取り消すことであり、また、一番重要なのは、在留資格の取消は、退去強制事由の一因と規定されていますので、実質的には退去強制事由の一つとみなして注意深く意識しなければいけません。

 このつながりや流れをわかりやすく言うと、法令に、在留資格を取り消される対象行為が規定されており、そこにひっかかると在留資格は取消になり、在留資格の取消は、退去強制の事由の一つと規定されているので、最終的に退去強制へと直結します。また、外国人が身の潔白を証明するチャンスは与えられます。

在留資格取消の対象行為

 在留資格取消につながる行為は規定されており、あらかじめ知っておけば注意して避けることができます。以下簡単に概略をお伝えします。

  • 虚偽の申請などにより上陸または在留などの許可を受けた場合
  • 一定期間(3か月または6か月以上)現に有している在留資格に該当する活動を行っていない場合
  • 中長期在留者で居住地に係る届け出義務に違反した場合

在留資格取消手続き

 在留資格取消手続きは、最大下記3つの階層での判断となり、取消が決定された場合は、基本的には、退去強制手続きへ移ります。

在留資格の取消事由に該当すると思われる外国人について

  • 入国審査官または入国警備官による事実の調査
  • 入国審査官による意見聴取
  • 法務大臣による判断

 ただし、例外として、退去強制手続きによらずに出国できる場合があります。該当するケースとしては、在留資格に関する申請に際し、誤った間違いのある文書等を提出し在留資格を得ていた場合です。その場合には30日以内の出国猶予期間が与えられ、その期限内に出国すれば適法在留中の出国者として扱われます。

退去強制

 退去強制とは、国にとって好ましくないと規定されている項目に該当した外国人を、国外へ退去させることにより日本の治安を保持する手続き制度です。外国人本人の在留の意思に関わらず、退去が強制されます。強制という言葉は暴力を喚起させますが、暴力を伴うという意味ではありません。また、外国人が身の潔白を証明するチャンスは与えられます。

退去強制事由

  退去強制事由とは、国にとって好ましくない外国人とその行為を規定してる項目です。手続きの項目は約30~40項目にわたります。もっとも主要なものは以下の領域のものです。

  • 在留資格取消となった者
  • 資格外活動をよく行ったもの
  • 入国・上陸の申請の際に間違いや罪を犯し、不法に入国・上陸した者
  • 不法就労に関わったもの
  • 売春麻薬その他の犯罪に関わる罪を犯した者
  • 日本政府の転覆を企む者

退去強制手続き

  退去強制手続きは、退去強制を実際に実現する一連の定められた手続きです。その手続きは、退去強制が決定するまでの前半と、退去強制が決定したあとの後半に分かれます。前半は審査、後半は執行、に当たります。

退去強制の審査

審査は最大4段階です。

  • 入国警備官による調査
  • 入国審査官による審査
  • 特別審理官による判定
  • 法務大臣の裁決

退去強制の執行

   執行ルートとして、3つのルートがあります。

  • 通常ルート
  • 出国命令制度という、出国前と出国後のペナルティの大幅軽減を伴うルート
  • 監理措置または仮放免許可という、通常ルートの、出国前の居住生活制限の大幅な軽減を伴うルート