退去強制事由は、特定の外国人を退去強制手続きに乗せて退去させるために、あらかじめどのような外国人が退去強制の対象となるかを定めたリストです。これらに該当すると退去が強制されます。退去強制に年齢制限や公訴時効はありませんので、年齢にかかわらず適用され(実際の運用上は異なる場合がある)、過去の行為も対象となります。
退去強制事由に該当すると、退去強制手続きが実行され、国外退去となります。が、それだけではなく、日本国外に退去した後も、再度日本に入ろうと思ったときにペナルティがあり、1年~10年または無期限の入国拒否となりますので細心の注意が必要です。
大きく分けると以下の8つの分野で事由が定められています。
- 入国・上陸の違反
- 在留資格の違反
- 在留カードの違反
- 期限を超えた残留
- 不法就労・人身売買系
- 治安保持
- 公安破壊企図
- その他
入国・上陸の違反
- 不法上陸者
- ほかの外国人の不法入国・上陸または不正上陸の煽動・教唆・幇助者
- ほかの外国人の上陸・在留等を助けるために、虚偽・偽造・変造にあたる文書や図画を、所持・作成・行使・提供した者。もしくはそれらを教え諭し、助けた者。
- 仮上陸の条件違反者等
- 旅券法上の罰則により処罰された者
- 集団密航及び営利目的による不法入国・上陸または不正上陸支援などに関連した罪により処罰された者。
在留資格の違反
- 在留資格を取り消された者
- 資格外活動をもっぱら行った者
- 資格外活動により禁固(拘禁刑)以上の刑に処せられた者。
在留カードの違反
- 中長期在留者で、在留カードに係る届出に関し、虚偽の届出を行った者、在留カードの再発行の申請を怠ったもの、在留カードの再発行の申請を怠った者、在留カードを受領しなかった者及び在留カードの提示を拒んだ者で懲役刑(拘禁刑)に処せられた者(いずれの場合においても執行猶予の言い渡しを受けたときも該当する)
- 在留カード及び特別永住者証明書を偽変造したり、他人名義のそれらを行使した者。それを教え諭しまたは助けた者。
期限を超えた残留
- 在留資格未取得の状態で不法残留したもの
- 不法残留者
- 退去命令を受け、遅滞なく本邦から退去しない者
- 特例上陸許可を受けて、不法残留した者及び数次の特例上陸の許可を取り消されたときに特定を受けた期間内に出国または帰船(上院上陸の場合のみ)しない者
- 出国命令の期間経過による不法残留者
不法就労・人身売買系
- 人身取引関与者
- 外国人に不法就労をさせる等した者。それを教え諭しまたは助けた者。
- 売春またはその周旋、勧誘等を行った者
治安保持
- 刑法その他の法令に定める犯罪のうち、特定の犯罪により懲役または禁錮に処せられた者
- (在留中に上陸拒否事由に該当しても退去強制事由に該当する)
- 少年法上の罰則により、3年を超える懲役または禁錮(拘禁刑)に処せられたもの
- 麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、覚せい剤取締法等により有罪判決を受けた者
- 無期または1年を超える懲役もしくは禁固(拘禁刑)に処せられてたもの(執行猶予を除く)
公安破壊企図
- 日本国憲法または政府を暴力で破壊することを企てるなどした者
- 非合法な手段で公安を害することを目的とする政党・団体を結成し、加入するなどした者
- 法務大臣において、日本国の利益または公安を害する行動を行ったと認定する者
- フーリガン等で不法に人・建造物に危害を加えた者
- 公衆等への脅迫目的の犯罪行為等を行う恐れがあると法務大臣が認めた者
その他
- 国際約束により日本への入国を防止すべきものとされているもの
- 出国命令を取り消された者
- 特別永住者に関しては、入管法24条の適用はなく、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法9条の規定により、同条各号のいずれかに該当する場合に限って、退去強制手続きが開始される。