退去強制手続きを始めるかどうかの判断をするための情報収集のための調査にあたるのが違反調査です。収容とは、身体の拘束のことで、違反調査の結果、退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当の理由がある場合になされます。
退去強制手続きは前半4部、後半3部から構成される手続きですが、違反調査は、その前半の第一部目になります。
違反調査は入国警備官によって行われます。入国警備官は退去強制事由に該当すると思料される外国人(容疑者)について、違反調査をする権限が法令により与えられています。外国人(容疑者)自ら地方局に出頭し、退去強制事由に該当すると申告した場合も同様です。
違反調査の構成フェーズ
- 事実の究明
- 収容の是非
事実の究明
入国警備官による違反調査は、下記の方法などに及び、容疑事実の究明のために、非常に多様かつ強弱の幅のある万能な権限が与えられています。
- 内偵・内査
- 公務所・行使の団体への照会
- 容疑者本人の出頭を求めての取調べ
- 証人の取調べ
- 裁判官の発する令状に基づく臨検・捜索・押収
内偵・内査の適法性
内偵・内査は、裁判官の令状なく捜査を行うものなので、ややもすると情報の違法取得にあたりうる可能性があります。この点については、以下の法的な争点が問題になりえ、政府や出入国在留管理庁側も遵守が求められています。
- 社会通念や公序良俗に反さないこと
- 相手の権利を侵害しない範囲内であること
- 相手の明示または黙示の同意や承諾があること
違反調査の手続き規定
違反調査は、その調査自体やその後の退去強制への連続性から、外国人に対するシビアな人権の侵害を伴いうる領域に隣していると言えます。この点に関する権力の暴走の抑止を目的とし、刑事訴訟法に関する以下の各種規定が取り入れられることによって、恣意的な権力発動を抑制しています。
- 押収の規定
- 捜索の規定
- 捜査の規定
- 各種物件・記録・及び一部捜索対象となる身体の扱いに関する規定
収容の是非(違反調査の結果)
違反調査の結果、外国人(容疑者)が退去強制事由のいずれかに該当すると疑うに足りる相当の理由があるときは、当該外国人は収容(身体の拘束)されます。その収容は、入国警備官によって行われますが、入国警備官は主任審査官に収容の可否を問わなければならず、主任審査官の発付する収容令書が必要とされる制度となっています。これにより独断による収容(身体の拘束)を防止しています。